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2007年ジャパン・ル・マン・チャレンジ Rd.4岡山

2007年ジャパン・ル・マン・チャレンジ Rd.4岡山

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2007年 全日本スポーツカー耐久選手権 Rd.4岡山1000km耐久レース決勝レポート
前回の第 3 戦ツインリンクもてぎでエンジンハーネスのトラブルから惜しくも優勝を逃してしまったものの、我々 AIMSPORTS はLMP-2 クラスのポイントリーダーのまま今回の岡山国際サーキットでのシリーズ最終戦を迎えることとなった。今回は前回スタートドライバーを勤めた松下昌揮が同日スポーツランド SUGO で開催される FORMULA-TOYOTA 第 6 戦の方に廻ってしまうため、第 2 戦富士同様黒沢翼を起用しての参戦である。

シリーズタイトルの係った今回の最終戦。昨年速さを追求するあまりレース中盤で駆動系のトラブルからリタイアの憂き目にあっているだけに、マシンのチェックには細心の注意をはらって今回の最終戦に必勝を期して乗り込んだ。

2007 年 10 月 27 日(土曜日晴れ)
ドライバーズ予選
1’28″610 LMP-2 クラス 1 位(総合 3 位)
午前中に行われたドライバーズ予選では、前日の天候がウェット路面での走行となってしまったことから、午後からのグリッド予選でのタイムアタックを担当する富澤にはセットアップの確認も含めアタック4 LAP とし他の 2 名のドライバーに対してはインラップ+アタック3周+アウトラップという、いつもより長めのプログラムを組んだ

前日の雨によりドライ路面での走行ができていない状況ではあったが、昨シーズンのここ岡山国際サーキットでマシンの基本セットを決めていた我々は、昨年と今回の気温、路面温度及び路面状態の比較から予想される範囲内での微調整を行い、昨年のセットアップを施しての走行となった。

ドライバーは決勝での走行順を考慮しつつも、午後からのグリッド予選の事も考慮して富澤→黒澤→麻生の順で走行し、いつも通り決勝にむけてドライバー交代の練習もあわせて行った。

各ドライバーは 1000 kmという長丁場の走行でのレースラップのチェックを目的とした1 分 31 秒台のターゲットタイムを指示され、これを全員がクリアしてこのセッションを終えた。

グリッド予選
1’28″610 LMP-2 クラス 1 位(総合 3 位) Drv: 富澤勝
午後からのグリッド予選では予定通り富澤がアタックした。本来少しでも路面状態の良くなる後半にアタックと行きたいところだが、見上げる空には真っ黒な雨雲が・・・今にも雨粒が落ちてきそうな状況である。この状況から各車我先にとコースイン、タイムアタックに入る。富澤が無線で「コース前半で少し雨が降ってきた」と訴えてきたが、タイヤが暖まってしまえば問題ないと判断「 2 周暖めてアタック」と無線で指示を出す。完全なクリアラップがとれなかったものの、昨年のタイムを 0.6 秒上回る 1 分 28 秒 610 をマークしてクラストップを確保するとともに LMP-1 クラスの #16 COURAGE LC70 、 #22 Zytec 05S に続き3番グリッドを確保した。

2007 年 10 月 28 日(日曜日晴れ)
フリー走行
1’32″679 LMP-2 クラス 2 位(総合 5 位)
富澤勝 1’34″701 麻生裕二 1’32″679 黒澤翼 1’33″000

決勝前の朝8時からのフリー走行ではいつもの通り燃料を満タン。スタートドライバーを勤める黒澤が決勝用のブレーキのチェックも兼ねて7周を走行、各ドライバーが車の重い状態のときの挙動を確認することと決勝でのドライバー交代の最終確認を目的とした。
決勝での走行順と同じく黒澤→麻生→富澤の順で走行。燃料満タン時でもマシンバランスに大きな変化がないことを確認した。

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決勝レース
228 周  6:00’13″853 総合 1 位  LMP-2 クラス 1 位(シリーズチャンピオン)
前日までの曇り空から一転、 2007 年シリーズ最終戦のレースは穏やかな秋空の下で行われることとなった。決勝は11時00分にローリングスタート。スタートドライバーの黒澤は #16 COURAGELC70 、 #22 Zytec 05S に続き3位のポジションをキープしたまま1コーナーをクリア。しかし、裏ストレートでストレートスピードに勝る P-2 クラスでタイトル争いをしている #15KK-LM に先行されオープニングラップを4位で戻ってくることとなった。

しかしこの展開は我々としては予想の範囲内の出来事で、 #15 KK-LM は燃料の消費量が多く、またタイヤの消耗も激しいため我々よりも早く 1 回目のピットストップを行わねばならないはずと判断。黒澤には無理して抜かなくても良いと指示する。

案の定、30周をすぎる頃 #15 KK-LM のペースが落ちだし、直後につけ隙をうかがっていた黒澤は36周目には 3 位へとポジションアップ。この後 44 周目に予定通り 1 回目のピットストップ、給油のみでポジションキープのままレースに復帰。
黒澤は2スティント目も無交換のタイヤにもかかわらず 1 分32~33秒台で安定したペースで走行を続ける。この間 66 周目には #16 クラージュが排気系のトラブルからピットイン、労せずして黒澤は 2 位へとポジションアップ。さらに 78 周目にはこれまで圧倒的な強さを見せていた #22 Zytec 05S がサスペンション系のトラブルから急遽ピットイン。

この時点で総合 1 位へと躍り出ることとなった。
90 周終了時点で予定通り 2 回目のピットストップ。黒澤→麻生へとドライバー交代、給油とタイヤ交換を済ませて総合 1 位のポジションキープでレースに復帰。

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ドライバーの麻生には1スティント走行なので、マシンに必要以上の負担をかけない範囲で速く走ることを指示。麻生はブレーキを労りつつも 1 分 31 ~ 32 秒台で安定して走行を続け後続の引き離しに係る。

136 周を依然総合 1 位のまま終了、予定通り 3 回目のピットストップ。麻生→富澤へとドライバー交代、給油とタイヤ交換を済ませてレースに復帰。この時点で後続の #21 フェラーリ 550GTS とは 2 周弱の差、マシンの修復がなって猛然と追い上げてきて 3 位走行の #16 COURAGE LC70 とは 6 周の差がある。

チームでは、このまま順調にいけば 2 位走行の #21 フェラーリ 550GTS に関しては逆転される事はないと判断。問題は 3 位走行の #16 COURAGE LC70 の方が驚異である。

すぐさま残り時間から周回数を計算、我々は 6 時間終了時で 229 周、 #16 COURAGELC70 はこのペースで行くと 228 周という計算結果が出た。計算通りに行けば総合優勝である。しかし、チェッカーまでは 2 時間以上先の話である。全く余談の許さない状況の中、富澤の走行は   1 分 31 ~ 32 秒で続く。逃げ切りのためのペースアップは可能だが、それによって周回数が増えるとタイヤと燃費が厳しく、またここまで順調であったマシンにもトラブル発生しないとも限らない(昨年の第 2 戦もてぎで残り 40 分の時点で総合 1 位からリタイア。今年の開幕戦 SUGO では総合 3 位から残り 5 分でタイヤバーストでポジションを落としている。)

我々はレース序盤2スティントを走行した黒澤のタイヤの状態、富澤の無線でのマシンの状況からからタイヤ交換の必要なしと判断。予定通り 182 周終了時に最後のピットストップ、給油のみでレースに復帰。この時点で再度計算しても 2 位を行く #16COURAGELC70 は最大 228 周である。後は予定通り 47 周を消化すれば総合優勝が転がり込んでくる。

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最後の走行も富澤は 1 分 32 秒台で安定して走行を続ける。もう念願の総合優勝はほぼ手中にできそうである。もう後続の #16 COURAGE LC70 は心配ない。安全をみて残り 5 周からペースを調整、予定の周回数を 1 周減らして規定の 6 時間を 10 数秒すぎたところで 228 周を終了させるべく富澤に無線で指示を送る。

そして、迎えたスタートから 6 時間 13 秒 853 。もう日も傾き薄暗くなった最終コーナーから我々の #18EBBRO Aim Sports GC-21 が姿を現し、最初にチェッカーを受ける事となった。

シリーズ最後戦にきて念願であった総合優勝、 LMP-2 クラスシリーズチャンピオンの達成である。

(チーム代表太田眞人)
シリーズ最終戦の今回のレースは、周りの状況に左右されず自分たちを信じてシミュレーション通りに6時間をきっちりと走りきれた事が結果につながった。何よりも昨年から獲れそうでいて獲れなかった LMP-2 のタイトルが獲れた事、しかも昨年の第 2 戦もてぎで夢と終わった総合優勝を今回獲得できて本当に嬉しい。今回のこの結果は、3人のドライバーがきっちり仕事をこなしチームも全員が一丸となってミス無く作業した努力の賜物だと思う。

(ドライバー富澤勝)
去年から 2 年間やってきましたが、今日ほどトラブルもミスも何もなく、速かったレースはありません。総合優勝までは狙ってなかったんですけど、勝ててよかったです。当初から来年からつかえなくなるクルマだと分かっていたので、今年こそチャンピオンをと狙っていましたが、最後の最後で決められて、一年を通しても思い出深いレースになりました。

(ドライバー麻生裕二)
全てがパーフェクトでした。最後の最後はやっぱりドキドキしましたね。いい一年でした。開幕戦で幸先よく勝てて、最後も勝てて、総合優勝というおまけまで貰って、パーフェクトです。

(ドライバー黒澤翼)
最初から 2 スティント行く予定でしたからタイヤを温存して走りました。燃費は問題なかったです。(治樹選手の前でゴールしたことについて)これがレースなんで、仕方ないです。

最後になりましたが、 LMP-2 クラスでは 4 戦中 3 勝という結果でシリーズチャンピオンを獲得、また最終戦で総合優勝も飾ることができ、このレースを通じて耐久レースの戦い方をあらためて学ぶ事で、チームとしてはまた大きな力を得る事ができたと思います。

多くの御協力をいただき、ありがとうございました。

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