12Nov
イタリアとの取引で失敗しないために
イタリアとの取引のお話をしたいと思います。
2015年、イタリアとの車のパーツの取引を頼まれました。車のパーツと言っても現在売られている物やちょっと前の物であれば日本国内でも手に入るのですが、今回頼まれたのがクラッシックレーシングカーのパーツで、正直手に入るかどうかは疑問でした。
ダメ元で、私がイタリアでレースをしていた時のイタリア人の友人に聞いてみることにしました。このイタリア人とは、1年に1回私がイタリアに行った時に会うのですが、非常に愉快な良い奴で、顔も広いので、もしかしたら何とかなるのではと思い頼んでみることにしました。
その友人曰く、「大概何でも見つかると思う」という答えでした。何ともイタリア人というのはすぐに友達になる人種なのか、人から人へと繋がっていき色々な人に聞いてくれました。
しかも「イタリアでは騙す奴も多いので、確かな人を見つけるから待ってくれ」とのことでした。イタリア人でも騙される恐れがあるのだから、日本人がイタリア人とビジネスをする時はイタリア人以上に気をつけないといけないんだなと改めて思いました。ただ、これはイタリア人に限らず、海外と仕事する際は非常に注意が必要だと思います。
パーツが見つかる
そんな友人のイタリア人らしからぬ言葉に私はかなり期待しました。そしてその期待どおり、パーツを見つけることができました。私はかなり難しいだろうなと思っていたので、正直驚きでした。
そもそも、そんな古い部品が残っているのかさえ疑問でした。しかし、イタリアという国はすごいもので、当時のものを持っている人がいるもんなんですね。しかも、そういう人が何人もいるとのこと。ビックリしてしまいます。
そして、私は実際にサンプルを持ってイタリアに渡り、イモラサーキットでパーツを持っている人に会いました。彼にサンプルを見せたところ、「あるから大丈夫」とのこと、しかもそのエンジンの問題点や壊れそうな箇所も教えてもらいかなり心強かったです。
古いものを大事にする国イタリア
イタリアという国は、やはりクラシックカーのような古いものを大切にする文化が根付いており、年に1回クラシックカーパーツの大きいマーケットが開かれるほどクラシックカーの文化が根付いています。
ちなみにイタリアとの取引で大変なのが、とにかく時間がかかるということです。イタリアにしてはトントン拍子で来た方かなと思いますが、探すのに3ヶ月ぐらいはかかりました。もちろん、こちらから催促することも何度かありました。
そしてこの後も、部品の詳細やら見積もりやらで、時間がかかりました。もちろん時差の関係もあるのですが、やはりイタリア人は元来のんびりしており、日本人のようなスピード感を期待しないことだなと改めて痛感しました。
そんなことは昔から分かっていたことだけど、いざ取引するとなると、まあとにかく時間がかかるな〜という印象でした。
あと、海外送金の部分で今回はちょっとつまずきました。こちらから送金した際に、相手の口座に1週間経ってもお金が入っていないということで、かなり焦りました。というのも今回は結構な金額だったので。
不思議なもので、イタリアの銀行も変なところがしっかりしているというか、何で口座にお金が入っていなかったかというと、犯罪防止のためらしいです。支払い証明書を見せればOKとのことで、こちらから支払い証明書を画像で送り、無事お金が振り込まれたそうです。
ちなみに、ヨーロッパにはIBANコードという長い口座番号があり、それがとにかく長い。どこまでが口座番号なのかが全くわかりませんでした(笑)まあ、それは銀行に行けば銀行員が教えてくれるので問題ないと思いますが、このIBANコードを相手に教えるのにも間違えそうで。
日本の感覚は通用しない
いずれにしても、日本の感覚でイタリアと仕事をしようとすると、必ず時間的感覚でイライラすると思います。とはいえ、今はメールもあればフェイスブックもあるので、随分と海外とのやりとりは楽になりました。が、イタリアとの取引にスピード感を求めるのであれば、取引しない方がいいと思います。
あと、イタリアとの取引で失敗しないためには、やはり信用できる人間を見つけること、これに尽きると思います。そのためには、信用できる人間関係を作ることが重要になってきます。私もレース時代からの何十年来の友人という信頼関係の元に取引ができていると思っています。
おそらく、海外の取引には絶対と言っていいほど信頼できる人間関係が必要になってくると思います。ちなみに、私のビジネスパートナーが中国でビジネスをしていますが、彼もやはり中国で失敗する日本人は騙されたりして撤退していくそうです。彼曰く、そこには信頼関係ができていないからと言っています。
これはどこの国でも言えることですが、特に海外とのビジネスにおいては信用できる人間関係が必要になるということです。そのためには、飲みに行ったり、食事に行ったりすることも重要になります。いわゆるノミニケーションですね。
まあ、イタリア人とご飯に行くと長いですし、大変ですが(笑)いずれにしても、イタリアとの取引は根気強くやることです。一度信頼ができてしまえば、その後はどんどん上手くいくと思います。