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2008年マレーシアMerdeka Millennium Endurance 12時間耐久レース

2008年マレーシアMerdeka Millennium Endurance 12時間耐久レース

2008 Merdeka Millennium Endurance Race
マレーシア・セパンサーキット レースレポート

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【はじめに】
このレースは毎年8月30日にマレーシアの独立記念日イベントのひとつとして F1 も開催されるセパン・サーキットで行われる12時間耐久レースです。主に、ポルシェ 997GT3RSR や BMW Z4 、ホンダシビックタイプ R 、ロータス、プロトンなどバラエティーに富んだマシンが参戦、排気量の違いや車両規定により4つのクラスに分別されます。

7月末に急遽シンガポールの MKJ レーシングチームからホンダシビックタイプ R で参戦することが決まり、8月初旬にレースに向けてのテストを行いました。そして8月28~30日のレースウィークへと挑むことになりました。

ドライバーは、チームオーナーでもあるシンガポール人のウィンストン選手と2年前に日本でチームメイトだった山崎信介選手、そして私の3人というラインアップで戦うことになりました。このチームはまだまだレースの経験が無く、我々の経験をメカニックに伝えてチームを作り上げていくという感じでした。メカニックは純粋で、我々の意見を真剣に聞き取り入れてくれるので、成長していくのが目に見えてわかりました。そして何と言っても私自身今年初のレース、そして久々の海外レースということもあり非常に楽しみな気持ちでレースウィークに臨むことになりました。

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【8月28日(木)フリー走行】
このフリー走行が予選、決勝に向けてマシンのセッティングを行う最後の重要な時間であることはドライバー及びメカニックが認識していました。前回のテストで、ハードブレーキングをする際にマシンが左へ行き不安定な状態になるというトラブルがあったのですが、今回のフリー走行でもその症状が出てしまいました。そのトラブルさえ無ければもっとタイムを詰めることができるとメカニックに訴え続け、メカニックも必死に原因を追究しました。そんなこんなで2回のフリー走行も終わり、原因は究明されず・・・。

夜の走行前にブレーキバランスを取って走行したところ、なんとトラブルは解消され、ブレーキング時の不安定さが消えていました。まさにメカニックは「 good job !」でした。セッティングもだいぶ煮詰まり、良い感じで予選、決勝への準備をすることができました。

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【8月29日(金)予選】
予選は3人のタイムを合計してグリッドを決めるというものでした。今までの私のレース人生の中では始めてのシステムで、通常3人の中で1番速いタイムを出した人のものが使用されるというのが普通でした。我々の参戦する A クラスは、エントリー台数が27台に対して予選通過をできるのが20台と非常に厳しい戦いが予想されました。ただ昨日のトラブルは解消されマシンの状態は良かった為、予選通過は問題ないと思いました。

まず最初は私がセッティングを出しながらもタイムアタックを行うことになりました。予選は全部の車両を含めると約50台近く走っていることもあり、渋滞にひっかかるなど満足いく走りができませんでしたが、なんとかタイムを出し終了しました。そして山崎選手とウィンストン選手もタイムアタックを行い、順調にタイムを出し17位で予選を通過しました。17位での予選通過はギリギリではありましたが、皆が明日レースをできることを純粋に喜び、決勝に向けてドライバー交代や給油、タイヤ交換などの練習にも一層の力が入るなど、レースの準備に励むことになりました。

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【8月30日(土)決勝】
決勝レースは午前11時50分にスタートし、午後23時50分ゴールという長い過酷な12時間耐久レース。予定では10スティントを走るという作戦。ミーティングを行い、スタートドライバーを務めるのは山崎選手、2番手に私、3番手にウィンストン選手という順番で走行していくことで決定。しかし、耐久レースにはトラブルが付き物で、どこでどう順番が代わってもおかしくない。

そしてレースがスタートし、山崎選手は上位を狙い次々と前車をパスし17位から9位まで順位を上げ私にバトンタッチする。私も更に上位を狙うべく走行、9位から6位まで順位を上げウィンストン選手にバトンタッチ。私の使用したタイヤは山崎選手が履いていたタイヤなので、最後は右フロントタイヤのワイヤーが出てきてしまう程磨耗していた。4スティント目の山崎選手が走行中、フロントから振動が出るということで早めのピットインでドライバー交代。なんとボルトが少し緩んでいたらしいが、外れなかったのが幸いでした。

私が走り始めてしばらくするとその振動が出てきたので、緊急ピットイン。どうやらタイヤを締める際にエアガンの圧力が足りなかったらしく、緩んできたらしい。その後は順調に周回を重ね6位をキープ。私の走行中に遠くの方に雷が見え、マレーシア特有のスコールがありそうな気配だった。もしかしたら雨が降るかもしれないということで、本来ウィンストン選手に代わるところを山崎選手に準備をするように私は無線で伝えました。

そして今度は違うトラブルが・・・ガス欠症状が出始め、メインポンプとサブポンプを切り替えて走ることに。しかし、症状は変わらず緊急ピットイン。ここでドライバー交代も行う。どうやらガソリンタンクが熱くなりすぎたらしく、ガソリンがうまく回らない症状が出たみたいでした。

山崎選手に代わりその後は順調に周回を重ね、その後のウィンストン選手も順調に周回。そして私に代わった頃から日が落ちてきて、ナイトセッションに。ナイトセッションになると多くのマシンがスピン、マシントラブルなどで離脱するなどセーフティカーが出る場面も出てきました。ナイトセッションは、やはりコースが見え難いこともあり神経を使って目を凝らしているので、思っていた以上に疲れが溜まっていきました。

途中乗る順番が代わった為、私の後に山崎選手、その後にまた私が乗り、最後はチームオーナーであるウィンストン選手が乗ることになりました。我々のチームは順調に周回を重ね、終盤には4位まで順位を上げることに。終盤はとにかくマシンを壊さずにゴールまで運ぶということが大事でした。終盤メカニックからは、とにかくマシンを丁寧に扱ってくれとの指示が無線で飛んできました。

そして私からウィンストン選手に最後のドライバー交代。最後はウィンストン選手が23:50のゴールを目指して走り、最終コーナーを立ち上がりまさに夜の感動のチェッカーフラッグ!!初参戦のチームながら、なんと4位入賞という快挙でした!

【最後に】
今回このようなチャンスを頂いたシンガポールのチームオーナーであるウィンストン選手、そして私を色々な面でサポートしてくれた山崎選手にメカニック、ご協力して頂いた多くの方々、ご声援頂いた多くの方々に感謝致します。ありがとうございました。

本来チームオーナーの目標は10位以内で完走するということでした。しかし、その目標を大きく上回る4位入賞という素晴らしい結果を出すことができました。このチームは本当に最初から考えると格段に成長し、こちらを更にやる気にさせてくれるような良い雰囲気になっていきました。非常に若い異色のチームではありましたが、メカニックは皆変わった良い奴達ばかりでレースウィークをすごく楽しむことができました。

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私は久々の海外レースで、海外でのレースの楽しさ難しさなどを再度確認することができましたし、ナイトセッションという初の体験もすることができ非常に良い経験になりました。私の目標であるル・マン24時間耐久レースに向けて非常に良い経験、準備になったのではないかと思っています。この経験を基に、今後は来年のレースに向けて活動していきたいと思います。来年はビッグレースへの参戦、もっとコンペティティブなマシンで走りたいと考えております。今後ともどうぞご支援、ご声援の程よろしくお願い致します。

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